ゴールデンウィークは、
久しぶりにまとまったお休みをいただいて、
のんびり過ごしました。
そんなある日、東京の友人から電話があり
「5月5日に大阪であるコンサートに
友だちのミュージシャンが出るんだけど、
メンバーの一人が厳格なマクロビアンなので、
そんな料理をテイクアウトできる店ない?」
という問い合わせに対して、
何を思ったのか「ぼくが作ってあげる」
と答えてしまいました。
コンサートが自宅近くの
野外音楽堂だったこともあったのかもしれません。
迷うほどレパートリーはないので、
前夜に切り干し大根と高野豆腐の煮付け、
蓮根と青菜の梅和え、
中級で習ったばかりのひじき蓮根を仕込みました。
他のメンバーも食べるだろうから、
みりんで少し甘めに仕上げようかとも思いましたが、
正食協会仕込みのマクロ料理の評価に
ミソをつけることになるかも、と思い直しました。
翌朝、5合の玄米に黒豆を入れて炊き上げたところ、
素晴らしくおいしくできて、
せっせとおにぎりにして歩いて会場に向かい、
楽屋に差し入れました。
家族以外の人のために、手間ひまかけて料理をすることなんて、
少し前のぼくには考えられないことで、
自分でもびっくりしました。
それもこれも正食協会で仕事をすることになったことと、
料理を習っていることが
大きく影響しているんだなと改めて思いました。
5月も中旬を過ぎました。中級コースのレッスンです。
今日は初めての講師で藤井美千代先生。
ちょっと厳しそうに見えます。
あまり目立たないようにしよう。
「今日は、講義から始めます」と意外な展開です。
“料理は体に合った方法で”というテーマで、
「自分の体質や体調を考えて、
自然界の陰陽の力を認識して生活していると
自然の秩序や季節の移り変わりが分かるようになります」
「旬のものを全体食(一物全体)でいただきます。
今は野菜が年中ありますので、
勉強しないと旬が分からなくなります」
「体調は毎日変化します。昼と夜も違います。
素直に体の声を聴くことが大切です。
この話を聞いて『先生、私、体の声が聴こえないんですが』
と言ってきた人がいましたけど(笑)」。
さすがベテラン先生だけあって、
いろんな話が淀みなく次から次に出てきます。
お話が面白く分かりやすい。
さて、本日のメニューです。
いなり寿司(だ~い好き)、
ふきと高野豆腐の煮付け、
玉ねぎと車麩の酢味噌和え、
柏餅の4品です。
いなり寿司のごはんは、
玄米に人参、
ゆかり(梅干し用に漬けた紫蘇を乾かして粉末にしたもの)、
炒ってすったばかりの白ごまを混ぜます。
寿司揚げは(味がしっかり入るように)油抜きしてだし汁で煮ます。
ふきは茹でて冷ましてから、
蛇の皮をむくように(むいたことないですけど)、
いっきに皮をむくのが面白かった。
玉ねぎと車麩の料理の、
車麩は水で戻すだけで熱も何も加えないのに驚きました。
焼いているので、そのままでもOKのようです。
柏餅は玄米粉と上新粉を混ぜて
熱湯を加え耳たぶの固さに練ってから、
蒸し器で30分蒸しました。
おいしそうな色になった寿司揚げに、
味付けごはんを詰めていきます。
少しごはんの量が多かったけれど、
お腹がすいていたので思い切り詰め込みました。
巡回してきた藤井先生に、
「美しくないので、ごはんが多い場合は取り分けて、
別にいただくといいですよ」とアドバイスを受けましたが、
こっそり押し込んでごまかしました。
さて、お楽しみの食事の時間です。
あれ?
なんてこった自分用のごはんの量の
多いいなり寿司は試食用として、
講師席に並べられていました・・・残念。
今日のメニューで特に「おいしい!」と感じたのは、
玉ねぎと車麩の酢味噌和えです。
すぐに家で作りたくなりました。
驚くくらい簡単なんです。
乱暴な表現をすると、蒸し煮した玉ねぎに、
水で戻した車麩を加えて酢味噌で混ぜるだけ。
きっと夏が近付き、
ほんのりした酸味が体に合うように
なってきたのでしょうね。
ふきと高野豆腐の煮付けは、
目をつむってもふきの味と分かるほど
旬を感じました。
今回、メニューにはありませんでしたが、
特別にふきの葉を使った、ふき味噌も作りました。
ほんのり苦く、冬の間に溜まった
体の毒素を出す作用のある食べものです。
柏餅も2個ぺろりとたいらげ完食。
やっぱり正食の料理はシンプルでおいしい。
ごちそうさまでした。 ************************** 今回も旬を感じることができる 素敵なメニューでしたね。 ちなみに公開料理教室や各種セミナーも 素敵なものが沢山ございます! 興味のある方はぜひ ご参加くださいね 公開料理教室 https://www.macrobiotic.gr.jp/school/koukai/ セミナー https://www.macrobiotic.gr.jp/seminar/top/