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伊豆大島「海の精」工場見学の旅♪

  2月上旬、寒椿の咲く季節 伊豆大島にある、「海の精」さんの製塩工場を 見学してまいりました 参加者は正食クッキングスクール講師の島田弘子先生、 そして福井県のNPO法人石塚左玄塾でネットワーク教室を おこなっている野坂淳一先生。 今、正食クッキングスクールのお塩は、 「海の精」さんの“あらしお”を使用しています。 伊豆大島へは何ルートか行き方がありますが、 今回は東京まで行き、竹芝から高速フェリーで 現地に向かいました。 竹芝の港からは海の精株式会社の下田ちひろさんが、 同行してくださいました。 約1時間半後、伊豆大島の岡田港に到着。 毎朝、潮の流れなどで元町港と岡田港、 どちらの発着になるかが決定するとのこと。 しばらくすると、 ワゴン車に乗った海の精株式会社社長の寺田牧人氏が 迎えに来てくださいました。 今回、特別に寺田社長自ら、2つの工場を案内していただく ことに。 早速車に乗り込み、塩田のある“千波工場”へと向かいました。 道すがら、三原山が噴火したときの、全島避難のころのお話や、 “塩運動”草創期のお話をいろいろと伺いました。 寺田社長は大島のご出身。 30年前、塩作りをしている人と知り合い、 「何か面白いことをやっている人たちがいる」と 塩作りの試験現場を見に行ったそうです。 “塩運動”も、去年で40年を迎えました。 かつては日本中の沿岸部で見かけた塩田。 それまでも塩は専売制のもとで生産・流通が されてきましたが、海外との競争に負けないためにという 理由で、日本は精製法を伝統製法でなく イオン交換膜式(材質の異なる膜を交互に重ねたフィルターに 電気を通して、電気分解で塩を結合させる方法)のみに統一 することで、コスト削減を図りました。 伝統的な塩の製造が可能だったのは、伊勢神宮と 伝統文化保存の一部のところのみ。 そして塩田は姿を消し、お豆腐を作るのに欠かせないにがりも、 流通しなくなりました。 そのため、マクロビオティックの活動家が中心となり、 「一物全体」「身土不二」の塩を守ろうと、 昔ながらの技法を生かした塩作りの活動が始まったのです。 当初は「官能会員」という活動に賛同する会員さんに 味見用として頒布するだけでしたが、その活動が広がり、 やがて専売法が廃止され、今や店頭には、 国内外さまざまな産地の塩が並ぶまでになりました。 と、話がちょっと逸れましたが、千波工場の塩田に到着しました。 この立派な建造物…! ちょっと建築中の建物にも見えますが、 これは「流下式塩田」という、櫓を組んで網やすだれに汲み上げた 海水を散布し、海水濃度を濃縮する装置です。 これもかつての日本の海岸で見かけられたそうです。 流下工場説明.JPG 国立公園内ということで、景観に溶け込める ようなデザインになっています。 塩田の向かいはすぐに海。 向こう側には伊豆七島のひとつ、利島が見えました。 工場前集合.JPG (左から海の精の下田さん、寺田社長、島田先生、野坂先生) 移動して、“ほししお”を製造している施設へ。 ハウス説明.JPG “ほししお”は国産の天日塩。 夏の間に濃縮した海水をハウスで天日干しにし、脱汁(水分を抜く)して、 冬に仕上げ干しをして完成させます。 塩の結晶が大きいので、通常の“あらしお”よりマイルドな味わいに なるそうです。 夜は、「ホテル赤門」で会食となりました。 晩御飯風景.JPG 「ホテル赤門」は、その昔源為朝が大島に流されたときに居住した 屋敷跡で、ご子孫の方が営んでおられる旅館です。 為朝のお墓もあるため、琉球王国王家の始祖が為朝という伝説のある 沖縄からもお参りに来られる方もおられるとか。 晩御飯1.JPG 晩御飯3.JPG 晩御飯2.JPG ブロッコリ.JPG 炒め物.JPG 晩御飯4.JPG 島特産の明日葉とはんば海苔小鉢(お料理一番最初の写真下部)に、 明日葉そば寿司、地元産お野菜のボイルに炒め物、 はんば海苔ご飯、などなど・・・ 海の幸、島の幸、お野菜盛りだくさんのご馳走に、 海の精の“やきしお”や“ゆずごしょう”などをつけて、 塩やマクロビオティック談義にも花が咲きました 翌日は、“あらしお”“やきしお”を製造している“元町工場”へ。 歓迎看板.JPG 入口には、歓迎のボードが設置されていました コロコロで上着の埃をとり、靴カバーも装着して、 手を洗って工場内へと進みます。 中には、いくつもの大きな釜がもうもうと蒸気をあげていました。 濃縮した海水“かん水”を「平釜」で炊き、“あらしお”を作っていきます。 平釜覗き.JPG ↑脚立を出してもらい、釜の中を覗かせてもらいます。 定期的に煮詰めた海水を冷まして濃度を計測し、 規定の濃度になったら塩を釜から出します。 平釜2.JPG その際、釜の底のほうのお塩は残しておきます。 塩は成分が層になって溜まるので、下のほうはカルシウムが多く、 味が異なってしまうそうです。 (その部分を活用した商品が、「ソルトで歯みがき」) そして少し冷まして結晶を安定させ、また成分が沈殿してしまわないように、 攪拌してから、脱汁。 そうすると、“あらしお”と“にがり”に分かれて出てきます。 あらしお完成.JPG ↑こちら、完成した瞬間の“あらしお” 塩が「平置き」となっているのは、さきほどの“成分が層になっていく” ことから、なのだそうです。 そして“やきしお”は、この完成した“あらしお”を、壺に入れ、 ふたをして陶器を焼くような窯に入れて焼きます。 袋詰め、瓶詰めは、実はひとつひとつが手詰め。 「商品の種類が多いので、手作業の方が逆に効率が いいんです」とのことでしたが、 意外にも手作り感満載の光景に、塩作りへの強い愛情が 感じられました。 お昼は、工場で皆さんが食べていらっしゃる給食を いただきました。 基本はお野菜、お魚が出るのは、漁師さんからいただいたときくらい、 という、ほぼマクロビオティック。 特産の明日葉は、ほぼ毎日何かしらのお料理として 食卓に登場するのだそうです。 お昼ごはん.JPG ここでも、食卓の友として、“やきしお”“ハーブソルト”、そして 海の精の塩を使っているメーカーの“ゆずごしょう”。 ごはんの上には、少し分かりにくいですが、限定商品の“桜の塩”が 乗っています。(海の精の塩で漬けた奈良吉野地方の桜の花と、塩を ブレンドした調味塩です) 大島を立つ前、記念にと島田先生は工場に生えていた 椿の枝を切ってもらいました。 椿選定.JPG (切っているのも、工場の方。手馴れてらっしゃると思ったら、 元は植木屋さんだったとか!) 家の庭先、公園、工場から港までの道々に至るまで、 本当に椿がたくさん咲いていました。 椿.JPG 八重、赤、白、さまざまな椿が咲き誇ります。 椿前集合.JPG 公園の椿の前で、寺田社長と島田先生。 帰りも岡田港からフェリーは出港。 ちょうどソロモン諸島の地震があった日で津波の心配も ありましたが、特に影響もなく、無事竹芝に戻ることができました。 寺田社長をはじめ、海の精の皆様、 大変貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。 塩について改めて向き合う良い機会となり、 「身土不二」「一物全体」についても考えることができました。 さて。 そんなステキな塩作りをされている海の精さん主催の 料理教室「海の精サロン」を、6月23日(日)に正食クッキングスクール 大阪本校でおこなうことが決定しました 講師は島田弘子先生。 詳細は↓ http://www.uminosei.com/uminoseiclub/salon.html お問い合わせは、「海の精」さんまで、よろしくお願い致します

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Macropocket(正食協会事務局)

JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION

https://www.macrobiotic.gr.jp/

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  • 2013年02月18日 15時12分更新
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