研修科と研究会の参加資格者を対象にした 合同講義が27日にありました。 第一部は、近畿大学経済学部教授の坂田裕輔先生。 坂田先生は、2006年の1年間、「むすび」誌に 「環境問題の歩き方」というタイトルで連載を 執筆していただいていました。
講義テーマは「食品の科学と倫理的な生き方」で、 副題として、“安全な食生活、地球環境と生きる 楽しみ方を考える”でした。 倫理と聞くだけで、まじめそうで固そうで道徳的で、 なんとなく肩が凝るのではと思っていましたが、 身近な食をとりまく環境のお話から始まりました。
環境汚染、有機農産物、フェアトレード、遺伝子 組み換え作物の問題、食糧危機、農村の危機、TPPなど、 次々と直面している課題や問題について取り上げていかれました。
講義の後半、倫理的な消費者とは、地球環境から社会貢献など、 広範な社会問題や社会責任に配慮したものやサービスを積極的に 消費する人のことで、エシカルスタイルと呼び、世界への影響を 判断材料に加えた自らの価値観にしたがって、積極的な選択を するとこと解説されました。
受講者は、ふだん食事や料理、健康について深く考えている メンバーだけに、そのことだけをマニアックに追求してしまい、 世界を俯瞰することを忘れがちになることも多いと思います。 そのような状態を、坂田先生の講義は、風穴を開けていただいた ような気がいたしました。
受講者の感想です。
「とても分かり易い講義でした。もっとたくさんお話を伺いたく、 続編の機会を是非お願いしたいです。情報の多さに惑わされる人 の多さ(私も含めて)、また、リスクに対しての考え方がとても 共感できました。選択の自由を後世に残すという点は、考える、 ということを大切にする正食の柱とも重なり、非常によい刺激を いただきました」
「機会費用という言葉が納得!! すごく共感しました。 60歳を超えた方の中にも行動を変えよう! と思ってくださる方も いらっしゃるのです。いくつになっても新しいことを知り、 勉強し続けたいという気持ちを持っていたいと思います」
「自分→社会→未来という視野を大切にしていくことが とても大切だと実感できました」
「坂田先生がお話された内容が分かりやすく、私自身の考えも 近くなっていると感じました。時代でもあると思いますが、 研究者、学習の場、そして実践の場が世界的に増え、多くの市民が 活動できる事に私も参加したいです」
第二部は、正食クッキングスクール・師範講師の西森寿美子先生。 テーマは「私のマクロビオティック」。指導者を目指す人たちに 必要な視点として、近き眺めと遠き眺めが必要と話されました。
西森先生がお姑さんの、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞の病を玄米で 改善していくお話は、何度お聴きしても迫力満点です。先生が、 自然食品店で買い物をして、商品の包み紙が「健康道場」という、 マクロビオティックの健康情報紙だったことから、玄米とのご縁が 始まります。しばらくして、さらにマクロビオティックを深める ために高知県から正食協会に訪ねてこられました。 その運命的な日が平成1年1月11日だったことを、鮮明に覚えて おられるようです。
数年前、正食協会がネットワーク教室の展開をスタートした時に、 先生が「むすび」に寄せた「新しい時代の扉を開ける、ささやかな挑戦」 という言葉が印象に残りました。
受講者の感想です。
「実体験からくる、正直なブレのないお話は、幾度伺っても、 背筋がピンとさせられる素晴らしいお話でした。“足下を大切に、 もっと普通のことをする”といった内容は、坂田先生のお話にも 重なり、大変教えられ、また勇気をいただきました」
「治病体験のお話は、やはり、なるほど! と思うことばかりでした。 東洋的思想観を大切に、生活したいと思いました」
「先生のお話は心、魂に響きました。体験することの素晴らしさ、 深めていくこと、自然であること、あるがままを大切にして ゆきたいと思いました」
「率直な心と態度であること。自分の直感を大切にすることなど、 お話からもよく理解できました。自分の仏教や東洋哲学の自己学習で、 漠然と持っていた感覚を言葉と文章で確認できたこと、 また物理学とのつながりなども学べたことはとてもよかったです」
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Macropocket(正食協会事務局)
JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION
https://www.macrobiotic.gr.jp/
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