ブログ「マクロなポケット」Blog

校長先生皐月の旅【福井・石塚左玄塾編】

  5月12~14日と九州(福岡・佐賀)に行かれていた岡田昭子校長先生。 翌週の18日には、福井県へと向かわれました。 正食クッキングスクールのネットワーク教室を 開催しているNPO法人フードヘルス石塚左玄塾の総会に 参加するためです。 JR武生駅から車で約30分の距離(大阪~武生は特急で約2時間)の 会場、朝9時からスタートとのことで、17日の夜に武生入りしました。 翌朝、 校長先生は日課の散歩で早朝に起き、 武生駅前の町並みをぐるっと見てまわられたとのこと。 福井出身の校長先生、 「福井市内は戦争の空襲と大地震で古い建物は 壊れてしまったけれど、武生には今も古いお寺や 建物がたくさん残っていて、風情がありますね」 とおっしゃっていました。 8時にクッキングスクール指導員の野坂淳一先生に迎えに来て いただき、車での移動となりました。 福井は車社会で、基本、どこに行くのでも車なのだそうです。 晴天に恵まれたその日は遠くまで景色がはっきりと見え、 山々には満開の藤の花が咲き誇り、道すがらにも色とりどりの 花々を見かけました。 518gaikan.JPG 会場の、越前市エコビレッジ交流センターに到着。 道路沿いから少し奥に建物があり、瓦葺きの屋根は完全に周囲の 家々と溶け込んでいました。 総会に先駆けて、校長先生のミニ講演がおこなわれました。 校長福井.JPG 石塚左玄という存在があったからこそ、桜沢如一がマクロビオティックを 世界中に広めることが出来たこと、また、この前の週に福岡の 高取保育園に行き、そこで目にした子どもたちの様子、 食事を預かる栄養士の先生方がクッキングスクールの卒業生・受講生たち ばかりで、子どもを健全に育てる要である「食育」に情熱を注いで 頑張っている様子に、自らも気が引きしまる思いがしたことなどを語られました。 早速総会が始まります。518soukai.JPG 理事長の岩佐勢市先生は、石塚左玄食育研究家。 以前「むすび」でその研究の成果を連載していただき、 「石塚左玄物語」という本にまとめられました。 岩佐先生.JPG 石塚さん.JPG 副理事長の石塚憲治さんは、左玄の一族である石塚家の方。 左玄塾では、「食育の祖・石塚左玄」が福井(大野市)出身であることを 地元福井の人々にもしっかりと知ってもらうため、墓前法要式典を含めた 顕彰祭もおこなっています。 総会では、山東参議院議員や渡邊昌日本綜合医学会会長なども 参加した「石塚左玄を語る会」や、 桜沢如一のお墓参り、正食協会での講義、石塚左玄の石碑を巡った 交流研修会など去年度の活動報告、 そして今年度の活動予定なども発表されました。 ガイド小浜1.JPG ガイド小浜2.JPG また、小浜市で発行された「元気食生活実践ガイド」に 石塚左玄の資料を提供するなど、幅広い活動内容が紹介されました。 総会後は、記念報告として エコビレッジ交流センター職員野村みゆきさんによる 「私の思う、食・農・環境」をテーマにした スライド講演がおこなわれました。 野村さん.JPG 「コウノトリが舞う里づくり構想」を打ち出している越前市。 エコビレッジ交流センターでは、里山体験や田植え体験などの体験学習の ほかに、コウノトリの餌場となる無農薬の水田のビオトープ整備、 巣塔の設置などの取り組みをおこなっています。 絶滅してしまった後、兵庫県豊岡市でコウノトリ保護・増殖活動が 盛んになりましたが、野生に返したのコウノトリが生きていくために 必要な環境作り、種として存続するための遺伝子の多様性は豊岡だけの 取り組みでは補えきれません。 越前市でもコウノトリを飼育し、そして飛来したコウノトリが営巣できる 環境をつくること=人間にとっても、生きていくのに良い環境だということを わかりやすく教えていただきました。 講演後は、いよいよ田植え体験です。 518tauesetumei.JPG それぞれ田植えしやすい格好に着替え、田んぼに向かいました。 518tauekaisi.JPG お手のもの、で田植えをおこなっていく方々。 518田植え.JPG 泥に足をとられながらも苗を植えていく方、皆さんそれぞれのペースで 進んでいかれました。 右手は、6角形の枠を転がして植える目印をつけていく作業。 「枠を転がしたのは50年ぶりかも」とのことでした。 写真はプラスチック製ですが、昔は木枠でとても重かったらしいです。 途中で苗が足りなくならないよう、畦から協力していただいている 農家の方やそのお孫さんが、苗の束を田んぼの中に投げ入れる光景も。 田植えの後は、お弁当タイムとなりました。 地元の農家のお母さんさちが作られたという「里山弁当」。 518ohiru.JPG 左下は、「朴葉ごはん」。朴の葉に、温かいご飯ときなこを入れて包み、 朴の香りを移していただく郷土料理だそうです。 そこで総会はおひらきとなりましたが、希望者は越前市内にある 「マルカワみそ」さんへ味噌工場の見学に向かいました。 518marukawa1.JPG 衛生用のキャップと靴カバーを装着し、工場内へと入ります。 案内してくださったのは、マルカワみその河崎宏社長とその息子さん。 518marukawa2.JPG 大正3年創業、代々家族で昔ながらの味噌作りをおこなってきた マルカワみそさんは、製造工程だけでなくその道具、材料にも こだわり、現在は有機の大豆、米、自家採取で作った種麹で 作った味噌を、木桶で発酵・熟成させています。 麹.JPG ↑味噌の材料となる麹。 518marukawa3.JPG ↑巨大な木桶が並ぶ。桶ひとつひとつにその中身(行き先や量など)の メモがつけられている。 そして今やその味噌の約6割が海外に。 健康的な日本のオーガニック食品として、世界の人々に親しまれているとのこと。 味噌スープ.JPG ↑オーガニックのインスタント味噌汁。 最近では「塩麹」などの麹商品が人気、 また、材料持ち込みの「カスタマイズ味噌」作りも、 口コミで広がっているそうです。 「食育」で大切なことは、目の前に並んだ料理や身体への影響についての 知識を得ることだけでなく、その食材の由来、それに関わった人とのつながり、 そしてその食材や人を育む場=環境など背景も含めて総合的にきちんと理解し、 大切にすることなのだなあ、と実感する旅でした。 こちらは、また「むすび」にもご紹介させていただく予定ですので、 お楽しみに!

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

Macropocket(正食協会事務局)

JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION

https://www.macrobiotic.gr.jp/

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

  • 2013年05月30日 12時10分更新
  • ブログカテゴリー: