正食協会に、マクロビオティックつながりの、 めずらしいお客様が来訪されました。 アメリカで長く料理の世界で活躍する阿部力(ちから)さんと、 奥様の恭子(やすこ)さんです。
力さんは、日本料理の板前さんで、故岡田定三会長と校長の 京都の禅寺で行われた結婚式の料理を担当されました。
およそ40年前、正確に言うと1972年2月2日に、 正食協会初代会長、岡田周三先生の勧めで渡米した力さんは、 ボストンで久司道夫先生の経営するマクロビオティックレストラン 「セブンスイン」で料理の腕をふるい、オーガニック&マクロ食品を 輸出入する、株式会社むそう商事の岡田雄公会長 (当時、フロアマネージャーを務めていました)と再建をした後、 ニューヨークを経由して、現在、フロリダ州のマイアミで 日本食レストランを経営されています。
力さんが正確に渡米した日を記憶しているのは、ちょうどその日、 グアム島で28年間潜んでいた元日本兵、横井庄一さんが発見され、 日本に帰還した日で、空港に垂れ幕があったからだそうです。
力さんの横で、ニコニコと優しい笑顔で相づちをうつ、 一緒にアメリカで苦労を共にされてきた恭子夫人は、 なんと久司道夫先生の姪っ子さんと知り、驚きました。 恭子さんは、当時NHKの「特派員」という番組で、 ボストンのマクロビオティックレストランの報道を観て アメリカに渡り、力さんと結ばれます。
ニューヨークのレストラン時代は、ジョン・レノンと オノ・ヨーコ夫妻が常連客となり、 「資金を出すから店を出さないか」と言われたほど気に入られて、 彼らが住むセントラルパーク近くのアパートに招かれたといいます。
64歳になる力さんは、若々しくユーモアがあり、 笑顔が素敵な方でした。 事業の成功の秘訣をお伺いすると「健康でなかったら絶対成功しない。 健康だったら何でもできる。いつまでもくよくよ悩まないこと。 考えすぎると深みにはまるだけ。早く切り替えて前に進むこと」 と明快な回答でした。
力さんをよく知る雄公会長の奥さん、良子さんは 「異国の地で成功するには、真面目でこつこつだけでは難しいんです。 力さんのような、悪く言えば脳天気な性格がいい。 いい意味でのいい加減。40年アメリカにいるのに、 英語はイマイチだけど、よく通じているし」(笑)。
これからは、大好きな鮎釣りのために、夏だけは日本で過ごすつもり だという力さん(鮎は日本にしかいないということです)。 体力のあるうちに遊ばなければということで、やはり「今でしょ!」(笑)と、 日本の流行語もご存知でした。
現在「居酒屋」、「蘭」「優雅」という店名の、 コンセプトの違う三つのお店を経営されています。 マクロビオティックのレストランではありませんが、 玄米と枝豆は必ずメニューにあるということです。 マイアミに旅行された時は、是非、食事をされてはいかがですか? 正食協会で知ったとおっしゃってください。 力さんのフロリダスマイルに出会えるはずです。
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Macropocket(正食協会事務局)
JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION
https://www.macrobiotic.gr.jp/
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