8月20日、愛媛県松山市にて公立学校共済組合による 「健康づくりセミナー」がおこなわれました。
愛媛県内の公立学校の教職員が対象、食事と体操の2つから 健康についてアプローチするこのセミナー、 食事の部でネットワーク教室「正食 愛媛教室」の鶴見恵子先生が 講師として講義されるということで、「むすび」編集部は 密着取材をさせていただくことになりました。
19日の朝大阪を出発し、岡山で特急「しおかぜ」に乗り換え 瀬戸内海を渡って四国入り。 そのまま電車に揺られて、午後1時過ぎ、目的地の松山に到着。 市内を走る路面電車に乗り換えて松山市駅前で降り、 前日準備の会場となるカフェ「the blue marble」へと向かいました。
「健康づくりセミナー」は8月2日と20日の2回おこなわれ、 2日は新居浜市内にて調理実習形式の料理教室が実施されていました。 2回目となる20日は料理のデモンストレーションと試食という形式、 会場では本格的な調理ができないため、前日に大体の調理と 仕込みをすることになったのです。 セミナーと、鶴見先生の活動の趣旨に賛同されたカフェのオーナー、 藤山健氏が、カフェでの料理提供を引き受けてくださいました。
早速、準備を始めます。食材は、鶴見先生が棚田で作った 自然農のお米やナス、福岡自然農園さんや自然食品店で仕入れた野菜たち。
(まずは、お米の選別※ゴミや石などを取り除く作業、から…!)
鶴見先生の指導で、調理を進めていきました。 (写真奥から、鶴見先生、オーナーの藤山氏、 現在大阪本校の上級に通い愛媛教室のアシスタントも こなす渡部さん)
(普段カフェでは使わない大鍋いっぱいにできたラタトゥイユ) (中級クラス(秋冬)で登場する「黒ごま豆乳プリン」も、 50人分近く完成)
調理がひと段落したとき、藤山さんが美味しいコーヒーを 入れてくださいました。 藤山さんはカメラマンで、松山市のいいもの、いい食材を もっと発信したいと松山市が発行するフリーペーパー 「Oic:Matsuyama」の監修もおこなっています。 (この日は「Oic:Matsuyama」の表紙撮りもあって、 藤山さんは大忙し!でした)
そして、夕食は移動してカフェ「風味花伝」さんへ。 お店をご夫婦2人で営んでおられる本山ヨシ男さん、千代さんは、 正食クッキングスクール師範科の卒業生。 マクロビオティックならではの車麩を使った 食べ応えのあるトマト煮やひじきの煮物など、 体がほっとするお料理とデザートをいただき、 明日へのエネルギー充電をして、前日準備は散会となりました。
翌20日、会場となる道後温泉の「にぎたつ会館」へと向かいました。 (レトロな雰囲気の道後温泉駅) (1時間に1本、路面電車で実際に乗れる「坊ちゃん列車」) (駅前のからくり時計と、右側が無料の足湯) (道後温泉本館。道後温泉といえば、ここ!) (この北側の外観が、「千と千尋の神隠し」の『油屋』のモデルになった そうです)
(にぎたつ会館:公立学校共済組合が運営する旅館。 一般客も宿泊可能な施設です)
今回のセミナーを担当された公立学校共済組合愛媛支部の 岩森秀峰さんは、実は鶴見先生のご主人の教え子。 セミナーでマクロビオティックを取り上げるにあたって、 ご自身もどんな食事か、どんな考え方のものなのかを理解するために、 ご自宅まで鶴見先生の料理を食べに来られたそうです。
参加者の皆さんは、マクロビオティックについてご存知の方が 少数ということもあり、セミナーでは、まず鶴見先生が マクロビオティックと正食協会について紹介。 次に、皆さんに試食していただく料理について、 作り方のデモンストレーションを通して、どういった調理法なのか、 どんなことを大切にしているのかをお伝えしていきました。
その間に、ブルーマーブルさんから届いた料理を、 渡部さんと鶴見先生の娘さんの直子さん、 組合のスタッフさんにも手伝っていただいて配膳、 45名分の玄米ご飯は、カセットコンロで炊いていきました。
試食が完成です! (玄米ご飯と車麩のマリネ、ラタトゥイユ、わかめの味噌汁、 黒ごま豆乳プリンの5品です)
皆さんに食べていただきます。このときにも、 「ひと口100回噛めるか、試してみてください。 また、お味噌汁には出汁を使っていないことを意識して 食べてみてください」と鶴見先生が声をかけ、テーブルを回って、 味などの感想を聞いていきました。
食事が終わって休憩の後、正食をおこなううえで大切な「身土不二」、 「一物全体」といった考え方を解説。 そして、清涼飲料水に含まれる砂糖の量を体感する実験をおこないました。 2リットルの水に、某清涼飲料水と同じ糖分量である 260gの砂糖を溶かして試飲、その味と、酸味料(今回はレモン果汁) を加えた砂糖水の味を比べてもらい、 砂糖が体に及ぼす影響について、お伝えしました。
参加された方の感想を一部ご紹介します。
「自然の食品そのものが持つ“旨味”を生かすことで、 健康的でおいしい食事をつくることができることに、 改めて気づかされました。安全な食品の生産とのバランスが 今後の私たちの生活の中で必要になると考えます」
「玄米ご飯にチャレンジしたことはあったのですが、 硬くて『体にいいものだからこんなものかな』と思っていたけれど、 今日の玄米ご飯は食べやすくておいしかったです。 ただ、家で実行するのは『家族の壁』が厚く、なかなか難しいです。 ラタトゥイユは家でも作ってみようと思います」
「砂糖の実験で上白糖の害のお話を聞き、少し驚きました。 我が家ではたくさん砂糖を使用しているので、 砂糖の種類に気をつけたいと思います」
「マクロビオティックについては初めてだったが、 健康のためには、とてもよい食事法だと思う。 自然食品を、素材の味を大切にして調理すること、 しっかり噛むことに気をつけて、今後の生活をしていきたい」
「土地のもの、旬のものを食べるのが一番いいということを 以前にも聞いたことがあったので、野菜作りをしてくれている 主人に日々感謝しながら自然の恵みをいただいている。 今日はその素材の生かし方を学ぶことができ、とてもためになった」
「食育と言われ、子どもたちに教育する立場でありながらも、 自分の食を見直すことはあまりなかったように思います。 今日教えていただいた素材を丸ごと生かす切り方や調理の方法などは、 ふだんの生活の中ですぐ生かせることだと思います」
たくさんの感想をいただき、本当に有難うございました。
食事部門が無事終了し、撤収を終えた後は、鶴見先生のご自宅と棚田を 拝見させていただきました。 車で山を登っていくにつれ、澄んでいく空気がとても清々しく、 ご自宅から臨む風景は、まさに1枚の絵画のようです。 自然農をおこなっている棚田では、 渇水の中稲が頑張って実を結んでいました。
ご自宅の玄関を入ると、木のぬくもりと懐かしさを感じる空間。 その奥に続く台所にかけられた絵画は、地元のアーティストの方の 作品とのこと。 隣の部屋には、シックな薪ストーブ。
鶴見先生、お世話になり有難うございました。
鶴見先生より、今回のセミナーの感想をいただきました。 「愛媛にお住まいの方に、正食=マクロビオティック のことを知っていただきたいと、ささやかに正食愛媛教室を 始めて2年目。たくさんのご縁がつながって、このたび、 公立学校共済組合の先生方にマクロビオティックを知っていただく 機会を与えていただき、とても身の引き締まる思いでした。 本校からの応援や、ブルーマーブルさんのご協力、 共済組合のスタッフやアシスタントのみなさんのおかげで、 この催しをつつがなく行うことができて、本当にホッとしています。
足りないところやことは補い合って、みんなのハーモニーが この場を作り上げたことを胸に刻んで、これからも共に 精進していきたいです。ありがとうございました」 そんな豊かな自然に育まれたお米などを使った公開料理教室 「つるちゃん先生の雑穀料理教室」が11月2日におこなわれます! 詳細はまた追って協会サイトでご紹介しますので、どうぞお楽しみに! (研修科にも通う娘さんの直子さんと、わんちゃんたち。 わんちゃんたちにも、歓迎していただきました♪)
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Macropocket(正食協会事務局)
JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION
https://www.macrobiotic.gr.jp/
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