食養家で正食協会の理事、山村慎一郎先生の9月から始まった新シリーズの第2回目「心臓病の望診・食事・飲み物・手当」が開催されました。
山村先生は若い頃、大の甘党で大量の砂糖を摂り、肉も卵もたくさん食べていて、大学生時代の体重は90キロを超える巨漢。マクロビオティックとは無縁で真逆の食生活をしていました。その経験があるからこそ、先生の健康相談や食事指導は、好きなものがどうしても止められない人の気持ちを汲んだ独特の工夫がされています。
私は結核になったこともあって、中学生の頃の朝食は卵を6個食べていました。塩を食べているのか鮭を食べているのかわからないくらいしょっぱい塩引き鮭を食べていました。福井県の名物“へしこ”みたいなものです。
とても陽性な食生活で育ったので、砂糖への欲求がすごいんですよ。これはマクロビオティックを勉強してからわかったんですけど。つまり体質と体調が陽性だと反対の陰性なものを要求する。
分かりやすくいうと、沿岸部で海風という陽性の風を受ける、魚を食べる、陽性な環境と食事で育っていく沿岸部の人は酒飲みが多いんですよね。釣り合いをとるために。
私の場合は、お砂糖に走りました。止めるのに一番苦しかったのは砂糖です。こうするぞと決めていても、つい食べてしまう。一口も口にしないと決めて実行して3年です。食べたくなってというのではなく体が欲求してしまうわけです。糖質が欲しいという本能的なものですね。そして、3年も我慢したのに食べてしまったと後悔するわけです。
ところが東洋医学を勉強していくと、お砂糖は毒ではなくて、お薬とし使えることを知りました。お砂糖を摂ると緩みます。緩むということは体の中に水分をためたということなんです。適度に水分がたまって緩むと、次のステップに進むことができる。
厳格にマクロビオティックをしている時には、摂りすぎは困りますけど、ある程度の糖分は摂ったほうがいいといことに気づきまして、お砂糖は少し食べてもいいやと決めたら、めちゃくちゃ楽になりました。摂り方が問題なんだなと。
宣伝になりますけど、私が書いた『週3日だけ!のヤセる「食べぐせ」ダイエット』(青春出版)という本がいつのまにか二万部売れてしまって、今度改訂版が出るんです。三日休んで一日食べる都はるみ方式か、水前寺清子方式の三日休んで二日食べる。これだとだいたいできる。そういうところに辿り着いて、随分楽になりました。
逆に考えると、マクロビオティックをして調子を崩している人がいます。なぜかというと砂糖食べているからです。皆さん大好きなスイーツです。米飴であれメイプルであれ、食べるとブドウ糖になるので、働きは同じなりますから。要は食べ方が大事なんです。
ヴィーガンとマクロと同じと勘違いしている人がいます。
すごく貧血の人が相談にきたので、鯉こくを勧めたら怒って帰られました。
「動物性の食べものを勧められるとは思いませんでした」と。
マクロビオティックを知っているというわりには桜沢先生の新食養療法などは読んだことがない。食物による手当て法も開いたこともない。
ベジでやっていけば健康になれる、と誤解している。野菜はカリウムが多いですから、ナトリウムをどんどん体外に出していきます。その上に、米飴であろうがメイプルであろうが摂れば、血液が足りなくなって血虚の状態になって、体がだるくなって動かなくなって生理が止まります。これは当たり前なんです。そこのところを分からないと、なんとなくムードでベジとかやっているとえらいことなります。
その一つのいい例が今日のテーマ、「心臓病」の話になります。
次回第3回目は、11月12日(日)。テーマは「胃の病気の望診・食事・飲み物・手当」です。
ご参加お待ちしています。