今回、講師をお願いした吉田太郎さんと正食協会の出会いは、2003年でした。
『200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート』(築地書館)を上梓した吉田さんを、月刊誌「むすび」の特集で取材しました。
当時、吉田さんは東京都産業労働局農林水産部で勤務されていました。
特集のタイトルは「日本キューバ化計画!?」。
「ソ連をはじめとした東欧諸国の崩壊とアメリカによる経済封鎖強化で、空前の食糧危機に見舞われたカリブ海の小国キューバは、首都ハバナを耕すという非常手段に訴えたのをきっかけに、有機農業で野菜を完全に自給するというオーガニック先進国に生まれ変わりました。綿密な取材に基づき、そうした現地の実情をつぶさに紹介した吉田太郎さんの著書は、本を読んだ人たちに大きな驚きと希望を与えました」
そして16年後の今年2月に、再び講演会の取材でご縁ができました。
長野県飯田市で開催された講演会「食の安全とタネのはなし3」です。
種子を守る会アドバイザーの印鑰智哉さん、ノンフィクション作家の島村菜津さん、そして吉田太郎さんの3名が登壇されました。
むすび4月号で特集を組みました。
タネを守ることは、私たちの健康を守り、地域を守り、さらには国の安全保障にまでつながります。そのためのキーワードは多様性。次世代のためにも私たちができること、すべきことについて考えていかねばなりません。
・次回に続きます。
・合同講義の内容は、「むすび」11月号に特集記事として掲載されます。