次の文章は吉田さんが上梓した『タネと内臓 有機野菜と腸内細菌が日本を変える』に書かれていたものです。
「遺伝子組み換え大国アメリカはもちろん、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、ロシア、中国、韓国まで、世界中の母親や農家が、農薬漬けの農業を見直して種子を守り、農作物や加工食品の質を問い直す農政大転換が始まっている。
なぜ日本だけが主要農産物種子法が廃止され、発がん物質として世界が忌避する農薬の食品への残留基準が規制緩和されていくのか。緩和の事実がなぜ日本の大手メディアでは報道されないのか」
?9月7日に行われた、吉田太郎さんの講義の冒頭部分を紹介させていただきます。
吉田太郎さんがキューバへ有機農法の取材に訪れた時、
「吉田というのはグッド・パディフィールド(Paddy field)で、いい田んぼのことです」と話をしたら、
タロイモという芋がキューバにもあって、吉田ではなくタロと呼ばれ続けたというエピソードから講義は始まりました。
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温暖化が大変な問題になっています。アマゾンが燃えています。危機的です。
講義の前半は、街中でまかれている除草剤で実はがんになる、
後半は、多分あと10年で人類は絶滅するだろうと、だいたいこういう宇宙戦艦ヤマトみたいな話をするとみんな落ち込むんですね。
最後に巻き返して、正食協会とすごく関係してくるんですが、食を変えれば救われるということになります。
ここでホッとしますが、これは一歩間違うと宗教と同じですね。宗教じゃなくて、かなり科学的エビデンスがあるという形でお話したいと思います。
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(スクリーンの映像を見せながら)
涙ぐんでいるのはデワイ・ジョンソンさん。有名人です。
まだかろうじて生きているんですが、末期がんなんです。なんで末期がんかと言いますと、
お店で売っているラウンドアップという除草剤(グリホサートという成分)、これが実は発がん性があるということが分かっておりまして、この方は学校の用務員さんだったんですが、その除草剤の液を浴びてしまい、がんになってしまったというわけです。
実はWHOも危険だと言っているので、このおかげでがんになったと訴えたら、
アメリカのカリフォルニアの裁判所が、彼が訴えていることは正しいということで、
これを作っている、今はバイエルという名前になっていますが、いわゆるモンサント(※注)に対して320億円の賠償を命じたというのが、去年の夏にあったんです。
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なぜ彼が有名人になったかというと、裁判でこの判決が出た次の日から、世界中の新聞がこのことを書いてニュースにもなって、
これは大変だということで、イギリスでは店舗からラウンドアップは発がん性があるので、扱いをやめようというような大事件になったんです。
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ところが日本の皆さんがなぜ知らないかというと、忖度をしているのか、どこも書かないんです。
かろうじて書いたのが「女性自身」と「週刊プレイボーイ」。あとは大手の新聞社はまったく書かない、ということなんです。
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次回に続く、、、
※注:米国モンサント社は2018年、ドイツの製薬大手バイエルに買収されています
※合同講義の内容は「むすび11月号」に特集記事として掲載されます