次の文章は吉田太郎さんが上梓した『タネと内臓 有機野菜と腸内細菌が日本を変える』に書かれていたものです。
?「世界中で激増する肥満、アトピー、花粉症、アレルギー、学習障害、うつ病などが、腸内細菌の乱れにあることがわかってきている。けれども、日々私たちと子どもたちが口にする食べ物が善玉菌を殺し、腸活の最大の障壁となっていることは意外に知られていない」
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講演の続きです。
ラウンドアップ(除草剤)のグリホサートという成分が原因でがんになった話の2番目の裁判が2019年の3月に起こりました。88億円の賠償金の支払いが命ぜられました。
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今年の5月に3番目の裁判が起こりまして、2200億円の賠償を命ぜられました。そのご夫婦もその農薬をまいたら、がんになったというわけです。
なぜこの夫婦ががんになったということで、これだけの膨大な支払いを命ぜられたのかを、日本で報道されたら大変な大騒ぎになると思います。
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どうしてアメリカで裁判になったか簡単に言うと、ラウンドアップという農薬をまくと、100人中100人がなるわけじゃないけど、かなりがんになるリスクがあると分かっている。
だからこれをまくときには、「がんになることがあります。注意してまいてください」と書いてあれば、がんになるリスクがあるんだったら、私は買わなかったとなるわけです。
だけどそういうこと一切書いていない。テレビは安全です、と宣伝している。これはペテンじゃないかとなるわけです。
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アメリカ国民をだましているじゃないか、ということで訴えて2200億円支払われた。さらに1万1200人あまりの方が、ラウンドアップ関連で裁判をしているということなんです。
このようなことがあって、モンサントを買収したバイエルの株価が下落しています。
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吉田太郎さん講演内容のご紹介はここまでです。
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私たちがふだんの生活で耳にすることのない情報が盛り沢山の講義で、視野が広くなったように感じました。
遺伝子組み換えの作物が安全かどうかという議論でなく、使われている除草剤そのものが、健康に直接影響を与える事実に納得できました。
遺伝子組み換え技術によって、除草剤を散布しても枯れない作物ができましたが、その作物は散布された除草剤を大量に吸収されるわけです。
今回の吉田太郎さんの講義テーマは「タネと内臓 有機食から健康と温暖化を考える」という壮大なものでしたが、多くの資料をスクリーンに映し出し、時にはユーモアを交えながら、わかりやすくお話ししていただけました。
※次回は、NPO法人 大地といのちの会理事長・菌ちゃんふぁーむの園主、吉田俊道さんの講義の一部を紹介させていただきます。
※合同講義の内容は、「むすび」11月号に特集記事として掲載されます。