5月23日、大阪梅田から程近い、大阪能楽会館にて おこなわれた「見て・さわって・楽しめる 能楽教室」に 参加して来ました。 以前ブログでもご紹介させていただきましたが(4月25日の記事)、 小鼓方の上田敦史さんが正食クッキングスクールの上級クラスに 通われていることがご縁となり、この教室のチケットをプレゼント いただいたのです。 ↑上演中は撮影できないため、始まる前の無人の能舞台。 客席には、外国の方も多く見かけられました。 開講式では、大阪能に親しむ会の会長能村光太郎氏が挨拶。 「大阪は吉本だけじゃありません(笑)、 能楽もあるし、文楽もある、かつては歌舞伎もありました。 ここに座っておられる方(外国の方)は、ニューヨークで能を見て、 興味を持っていただいたそうです。 このような機会を通して、もっと、皆さんに親しんでいただければ」 と語られました。 そしてプログラムスタート。 この教室の見所は、タイトルの通り、「見る」だけでなく 「さわれる」体験があるということ。 「お囃子の部屋」として、笛と大鼓、小鼓と太鼓を実際に さわって演奏してみるというプログラムがありました!(先着各30名申し込み) 開場は18時でしたが、17時半からこの体験の申し込みだったため、 17時過ぎには会館の前に10数名の列が出来ていました・・・。 上田さんには「僕なら写真OKです!」と許可をいただいていたため、 小鼓体験の様子を撮影させていただきました。 右肩に乗せるので、右手で持つかと思いがちですが、 小鼓を持つのは左手。 紐部分を握って、その握りの締め具合で音の高低を出すのだそうです。 右手で鼓を打ちますが、打った後の手指は皮からぱっと離すのだそう。 そうすると、「ポンッ」という心地よい音が響きます。 音を変えるときには、中央でなく縁側を打ち・・・ と、簡単そうに見えて、 「掛け声もつけて、さあ、やってみましょうか」と始まると、途端に 「あれ??」となってしまいました。 (楽器音痴なだけかもしれませんが:汗) 流れに乗って、謡が重なります。 そうなると、ちゃんと演奏しているように聞こえてくるのが不思議なところ。 外国の方も参加されていましたが、途中足がしびれてきたのか 立ち膝姿勢に。でも最後まで熱心に演奏しておられました。 交代制で小鼓を持たない人は、「エア小鼓」で動作を予習・復習しました。 太鼓のほうは、4台の太鼓で順番に、太鼓方の先生がおっしゃる動作を 真似ていきました。 ここでも、「エア太鼓」で覚えたと思ったはずが、本番でバチを持つと、 「ありり?」。 中央の皮目掛けてバチを振り下ろすのもままならず、ひと苦労でした。 やはり何事も、「1日にして成らず」だなあ、と痛感。 お囃子体験をしている最中、 能舞台では狂言の「梟(ふくろう)」が上演されていました。 狂言鑑賞をしていた編集部Aさんによると、 「楽屋から楽器の音とかが舞台まですごく聞こえてきていて、 もしかしたら初めてこの舞台で狂言を知った海外の人は これがBGMかと思うかも(笑)」 とのことでした。 そして舞台がひと段落すると、質問コーナーへと移りました。 休憩を挟んで、後半は全員揃っての能楽鑑賞「天鼓」。 それに先駆けて、装束付けの実演と解説がありました。 1人の演者に、3人がかりで衣装を着付けていきます。 また、能面に表情がない理由も説明されました。 能は1曲がとても長いので、今回は“半能”という 部分的に抜き出しての上演。 始まる前に、「宝生流」の方による前半部分(一部)の 独吟が披露されました。 上演されたのは観世流で、やはり流派によって 謡い方などの特徴が違うのだそうです。 始まると、先ほどお囃子指導をされていた方の姿も 舞台上にあり、少し見る目が変わります。 謡、囃子、そして舞に引き込まれていきました。 終了後、舞台を前に記念撮影をされる海外の方の姿も。 実はこの教室に、岡田校長先生もお孫さんたちを 連れて参加されていました。 「小さい頃にこういった文化に触れる機会があるのは、 とてもいいことですよね」とにっこり。 能楽が現在の形となるまでに、さまざまな歴史があり、 神への祈り(豊穣や繁栄、鎮魂を祈る)、大衆に楽しまれる芸能が 混ざり合い、観阿弥・世阿弥親子によって完成された型が、 現代に至るまで洗練されていきました。 「マクロビオティック」というと、ついつい「料理」のことばかりに なってしまいがちですが、その「料理」ひとつとっても、 農や、習慣、文化、主義、思想、歴史などの背景が 横たわっています。 「陰陽」や「効能」ももちろん大事な要素ですが、 全体を理解するには、背景も知っていると、より深く知ることが できる、と思います。 「マクロビオティック」は東洋思想や日本文化が背景と なって生み出されたもの(=「無双原理」)。 食文化を知るには、文化も知っていて損はありません。 そうすると、また新しい発見があるかも知れませんね。 さて、そんなクロスオーバーなイベントが、 6月8日、丹波市内にておこなわれる「農ライフ能ミュージック」です。 豊穣の祈り=田楽、そして田植え体験、 農家レストランの昼食を満喫して、能楽ライブを堪能する、という。 大阪、神戸から車で約1時間ほどの距離。 ご興味がある方は、ぜひぜひご参加してみてくださいね! ※イベントに関しては、以前ブログの記事でご紹介しましたので、 こちらをご覧ください。↓ http://macropocket.jugem.jp/?day=20130516【5月16日の記事】 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Macropocket(正食協会事務局)
JAPAN MACROBIOTIC ASSOCIATION
https://www.macrobiotic.gr.jp/
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- 2013年05月31日 17時52分更新
- ブログカテゴリー:05_協会便り