ブログ「マクロなポケット」Blog

【免疫力UP情報】なぜ「有機」なのか、何が「安全」なのか理解し自覚した上で答えられるために 上②

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第6弾は「むすび誌2016年6月号」~「むすび誌2016年7月号」までの連載より藤井淳生・安心農業株式会社社長の合同講義録(上・下)の記事です(全4回)。
-----------------------------------------------------------------------------------
最大関心事は賞味・消費期限 次に価格、そして内容量の順

 食品表示法をつくるにあたって、もう一つの参考にされたのが、「消費者は食品表示のいったい何を見ているのか」というアンケート調査でした。
 そこでわかったのは、一般の消費者がもっとも見ている表示は「賞味期限/消費期限」で、その次が「価格」、さらに「内容量」でした。以下、「製品の原産国(加工国)」、「原材料の表示」、「食品添加物の表示」、「原材料の原産国」、「遺伝子組み換え原材料の使用の有無」などと続きます。
 「消費者がどれだけ価格を重視しているかというのがよくわかります」と藤井さん。
 さらに藤井さんは、一般の消費者が、スーパーに入ってから買い物をすませるまでに、平均でたった九分間しかかけていないことも紹介しました。その九分間で購入する食品の品数は平均で一六品です。
 わずか九分間で一六品も選ぼうと思えば、「賞味期限」や「価格」「内容量」しか見ていないというのも、仕方のないことなのかもしれませんが、そういう消費者が実際は多いのです。
 もちろん、食品添加物や遺伝子組み換えなどに関する表示をじっくりと読んで、商品を吟味してから、購入するかどうかを決める消費者もいます。
 同時に行われた「食品の表示に対する不満」というアンケートでは、「開封後、どのくらいで食べ切ればいいのかわからない」「アレルギー表示が不十分」といった声も寄せられたため、ここでも安全にかかわる情報を充実させなければいけないということになりました。

子どもも理解できる表示に買う人より食べる人重視

 食品表示法は、「消費者の食品を第一の目的にする」と、第一項目に明記されています。
 「食品を『購入』する際ではなく、『摂取』する際の安全性の確保、というのはけっこう大事なところです」
 藤井さんはそう前置きして、なぜ「購入」ではなく「摂取」する際なのか、次のように説明しました。
 「食品を購入する際であれば、ちゃんと漢字が読める人が買い物をしますが、食べる人は、例えばみなさんのお子さんです。卵や小麦にアレルギーのある小さなお子さんが、漢字で原材料に卵や小麦と書いてあっても読めないこともあるので、食品を実際に摂取する人を想定して、ひらがなで書くとか、わかりやすく表示しなさいということを表しています」
 現在の食品表示は「買う人じゃなくて、食べる人重視」になっているというわけです。
 その一環として、例えば、原材料に醤油を使った場合、従来は「しょう油」の表示だけですんでいましたが、食品表示法により、アレルギーを引き起こす可能性のあるアレルゲンの大豆や小麦が含まれるときは、「しょう油(大豆、小麦を含む)」などと表示されるようになりました。



「発がん性ゼロの食品はなし」完全無欠に安全な食品は皆無

 そもそも「食品が安全である」とはどういうことでしょうか。
有機農業をしている藤井さんは、周りからときどき、「藤井さんの野菜って安全なんだよね」と声をかけられるそうです。ところが藤井さんは「とんでもない」と否定するのが常だそうです。
 安全な車を選ぼうとすると、いろんなことを考えます。ブレーキがよく効くというだけではなく、事故の際にはエアバッグが前からだけではなくて横からも出てくるとか、車が危険を察知したら自動停止するとか、など。
 安全かどうかを判断するには、本当はさまざまなことを比較して考えるはずなのに、食べものについては「有機」「無添加」「無農薬」というだけで「安全」だと思い込むのは、「乱暴すぎませんか」と、藤井さんは車選びを例に問いかけました。
 その次に、「実は食品の安全というものを考えるときには、個人差があります」と指摘しました。
 簡単な例でいえば、体重差。同じ量の毒でも、大人は平気でも、子どもにとっては命にかかわることがあります。アレルギー体質もかなりの個人差があります。
 「三つ目に大事なことは、質よりも量を気にするというくせを、ぜひ身につけてほしい」
 「発がん性がある食べもの」と聞けば、だれもが避けたいと思います。それなら、「発がん性がない食べもの」を食べればいいということになりますが、「発がん性がないことが確認されている食べものは、いまだかつて一つも見つかってません」と藤井さんはきっぱり。
 「どんな食べものにも、発がん性物質がちょっとでも入ってるかもしれない。それを大量に食べてしまえば、当たり前のように(発がんの)性質が現れてきます」
 以上の三点をまとめれば、「絶対に」「みんなに」「いい/悪い」食べものはない、ということです。

【免疫力UP情報】なぜ「有機」なのか、何が「安全」なのか理解し自覚した上で答えられるために 下①へ
-----------------------------------------------------------------------------------
藤井淳生(ふじい・あつお)
安心農業株式会社代表取締役社長。1967年広島県生まれ。1995 年 NPO 法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会勤務。 2003 年 (株)農水産ID設立。 2014 年 安心農業(株)設立。・専門分野、支援実績、プロフィール等/GAP(農業生産工程管理手法)の導入支援 ・JGAP上級審査員 ・日本生協連GAP講師 ・農林水産省GAP講師 ・農場管理、開発支援 ・直売所店舗管理支援 ・野菜ソムリエ講師 他
  • 2020年07月23日 10時02分更新
  • ブログカテゴリー: