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【免疫力UP情報】子どもたちの脳とからだをつくる①

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第18弾は「むすび誌2017年2月号」より小崎孝子氏のインタビューをご紹介します。(全6回)。
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「いっぱい食べて、たくさん遊び、ぐっすり眠る」こと

入園する子の表情が乏しい 心配される「脳疲労」の影響
 講演で小崎さんは、「子どもたちの未来を考えると、私は幼稚園にじっとしていられないんです」と、あふれる気持ちを抑えるかのように、ゆっくりと切り出しました。
 ふたば幼稚園で子どもたちとかかわるようになって三六年。小崎さんは、その間の核家族化や情報化、都市化といった、子どもを取り巻く社会環境の大きな変化の中で、若いお母さんたちが戸惑い、「子育てが見えなくなっています」と話しました。
 小崎さんは「子どもたちはご家族の宝と同時に、国の宝」と考え、すべての子どもに惜しみない愛情を寄せています。そんな小崎さんにとって、最近の子どもたちについての心配事は尽きません。
 その一つとして小崎さんがまず挙げたのが、「脳疲労」です。「幼稚園に入園してくる子どもたちに、まず表情がありません」。
 「脳疲労」とは聞き慣れない言葉ですが、小崎さんの著書「6歳までにかしこい脳をつくる 奇跡の幼稚園メソッド」で小崎さんと対談した九州大学名誉教授で医学博士の藤野武彦氏が、二五年も前から提唱している概念です。

有害物質と強いストレスが子の発達障害の原因の一つに
 運動をしすぎると筋肉が疲れるように、情報過多になって過剰なストレスが脳にかかると、大脳の新皮質と旧皮質が離反し、そのために間脳が混乱した状態になるそうです。それが「脳疲労」で、生活習慣病や心身症の引き金になるともいわれます。
 同書に収録された対談で藤野氏は、妊娠中のお母さんが、食べものをとおしてダイオキシンなどの有害物質を摂取したり、強いストレスを受けて副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されると、赤ちゃんの脳が異常をきたす恐れがある、と警告します。
 例えば、妊娠中のお母さんが、家庭や職場でストレスを受け、さらに食生活が乱れて、味が濃くて刺激的な風味のファストフードなどを頻繁に口にするようになれば、さまざまな添加物などにより化学物質を取り込んでしまいます。
 そうした化学物質が、栄養とともに赤ちゃんに送り込まれることが、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害や身体障害を引き起こす要因の一つになる、というのです。
 お母さんの脳疲労が子どもをも脳疲労にさせてしまっています。
 藤野氏は、脳疲労を起こした母親が、「子どもを愛せない症候群」となり、わが子を愛せないという自責の念が逆転して、虐待に結びつく可能性もあると指摘します。
 それでは、脳疲労の原因となる食生活とストレスについて、どんな改善策があるのでしょうか。藤野氏が評価するふたば幼稚園の取り組みをとおして、説明します。

低体温やアレルギーの増加 食の大切さを確信するように
 ふたば幼稚園では、子どもの生活の基本として、食、遊び、睡眠の三つを重視しています。「いっぱい食べて、たくさん遊び、ぐっすり眠る」ということです。
 いまからもう二〇年以上も前のこと、小崎さんは子どもたちの体温が低いことに気づきました。
 「私が食に取り組んだ一つのきっかけは、子どもたちの体温です。子どもたちは三六度五分から三七度が平熱ですよ。でも、いまの子どもたちは、三六度五分以下がほとんどです」
 ほかにも、登園してきた子どもが一点を見つめ続けていたり、表情がうつろだったり、目が泳いでいたり、落ち着いて話が聞けないといった姿が見られるようになってきました。
 アトピー性皮膚炎や喘息、鼻炎などのアレルギー症状とみられる子どもも増えていました。
 そんな気になる子の一人に、朝「おはよう」と声をかけると、口から甘い匂いがしてきました。食べてきたものを聞くと、「メロンパンとジュース」という答えが返ってきました。
 それからその子に毎朝、食べたものを聞いていると、パンの種類と飲みものが変わるだけで、ごはんを食べていないことがわかりました。
 そこで小崎さんは食に原因があるかもしれないと直感し、いろいろな専門家の話を聞くうちに、食の大切さを確信するようになりました。
 「脳は、糖質をエネルギーとしています。甘いものは急激に脳に送り込まれて、血糖も急激に上がります。すると、それを下げようとして、インスリンがはたらく。そしたら(低血糖になって)また甘いものが欲しくなる。それを繰り返していると、すぐキレたり、ムカついたり。それは砂糖の摂りすぎなんですよ」「それに対して、米にはバランスのいい糖質が含まれています。それをよく噛みながら食べると、(糖質が)じわーっと脳に送り込まれるから、持続性、忍耐力がつくわけなんです」

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小崎孝子(こさき・たかこ)
1947年福岡県福岡市志賀島生まれ。近畿大学九州短期大学保育科卒業。学校法人、ふたば幼稚園理事長。志賀島保育園園長。平成9年に有害紫外線対策の“サン・カット帽子”をオーストラリアから取り寄せ、いち早く導入し環境省のマニュアルに掲載される。平成12年より伝統和食を基本とした「真の食育」活動に取り組むなど、子どものための保育を追及。平成18年度より福岡女子大学や下関市立市民病院の小児科医らとともに「子どもの食育を考える会」を立ち上げ、家庭における食事調査・健康調査・生活調査などを通して和食効果を研究。平成27年度から広島大学大学院教育学科の七木田敦教授らとともに『遊びの保育を通した子供の運動力』についての共同研究を開始。平成16年農林水産省による「地域に根差した食育コンクール」での特別賞受賞を皮切りに、食育、農業、環境教育関係など数々の賞を受賞。日本の伝統食を給食に取り入れ、子どもの自由を保障した遊びつくす保育を徹底することで、発達障害、自閉症、アトピーの子らを改善に導き、「奇跡の幼稚園」として、テレビ、新聞、雑誌などで多数取り上げられる。子どもの健やかな育ちのための「食育と遊び」について、全国各地で講演会を行っている。
  • 2021年04月08日 14時50分更新
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