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【免疫力UP情報】子どもたちの脳とからだをつくる②

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第18弾は「むすび誌2017年2月号」より小崎孝子氏のインタビューをご紹介します。(全6回)。
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日本人の体に合わない栄養学 カルシウムは牛乳以外で補う
 小崎さんは、日本の現代栄養学について、「明治4年にドイツから入ってきたもので、ドイツの頑強な兵隊さんの体重を基準に編み出されました。でも、欧米人のからだと日本人のからだでは、つくりが違うものがあります。私たち日本人は欧米人の方たちよりも、二メートル近く腸が長いと言われています。でも、インスリンの量は欧米人の半分しかない」と解説します。
 例えば、一般にカルシウム補給にいいとされる牛乳。しかし小崎さん自身は「私は牛乳を一滴も飲みません」。
 そして「日本人のカルシウム摂取のやり方があるんです」として、野菜や海藻、小魚から摂ることを勧めました。
 「大根の葉には、(一〇〇グラムの)牛乳の二本分のカルシウムがあります。小松菜だと一把と半分で牛乳一本分。これをお浸しにしたり、味噌汁に使ったりすれば、カルシウムは十分摂れます」
 さらに幼稚園では、出しをとったあとのイリコと昆布で佃煮をつくっています。それももちろん「カルシウムたっぷり」です。

大切にしたい身土不二と旬 一物全体で栄養バランスよく
 食べものを選ぶときに小崎さんが大事にしていることがあります。それは身土不二と旬、一物全体です。
 身土不二とは、身(からだ)と土(土地をはじめとする自然環境)は不二(切り離すことができない不可分のもの)である、という考え方です。
 「地産地消」にも通じますが、住んでいる土地のものを食べていれば、その土地の環境に合ったからだができ、それが健康の基礎になる、ということです。
 「昔の人は、自分の住む四里四方のものを食せよと言いました。四里は、いまで言うと約一六キロぐらいですかね。その範囲までにとれる野菜だとかの食べものが、一番あなたのからだに合ったものですよというのが、身土不二です」
 旬については、「冬でもトマト、キュウリ、ピーマンがありますが、これは夏の野菜です。冬にこんなものを食べても、栄養が四〇分の一ぐらいに低下してます。だから、旬のものをしっかり食べさせると、子どもたちもパワーがついてきます」と話しました。
 「一物全体というのは、お大根は皮ごと、葉っぱも実も全部食べるということです」
 大根は、葉は捨てず、皮もむかず、丸ごとをいただくことで、栄養バランスのとれた食べものになります。
 お米にしても、栄養不足になりやすい白米ではなく、糠のついた未精白米を勧めました。
 「白い米と書いて『粕』と読みます。米が健康と書いて『糠』です」と小崎さん。 「私たちはもういちど原点に立ち返って食を見直さないと、子どもたちのからだはとんでもないことになっています。だから食でしっかり子どもたちの健康をつくってあげないといけません」

動物性が多かった給食から伝統和食にして休園児が減少
 いまでこそ、肉や卵、乳製品、白砂糖を一切使わない「伝統和食」の給食に徹しているふたば幼稚園ですが、実は平成11年(1999年)までは、肉や卵、乳製品がたっぷりの給食だったそうです。
 「私はその頃五〇代でしたが、朝起きると倦怠感があって、『定年まで務まりそうにない。その前に辞めようか』と思った時期がよくありました。ところが、和食に切り替えた途端、元気になりました」
 子どもたちにはどんな変化があったのでしょうか。
 「和食にして翌年くらいには、アトピーの子どもたちの皮膚がきれいになっていきました。病気で休園する子どもが減少しました。熱を出して早退しても、翌日には復帰するんです。肥満の子どもがいなくなり、虫歯も減少しました。そして、落ち着きのない子どもたちが、相手の目を見てしっかりお話が聞けるようになってきました」

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小崎孝子(こさき・たかこ)
1947年福岡県福岡市志賀島生まれ。近畿大学九州短期大学保育科卒業。学校法人、ふたば幼稚園理事長。志賀島保育園園長。平成9年に有害紫外線対策の“サン・カット帽子”をオーストラリアから取り寄せ、いち早く導入し環境省のマニュアルに掲載される。平成12年より伝統和食を基本とした「真の食育」活動に取り組むなど、子どものための保育を追及。平成18年度より福岡女子大学や下関市立市民病院の小児科医らとともに「子どもの食育を考える会」を立ち上げ、家庭における食事調査・健康調査・生活調査などを通して和食効果を研究。平成27年度から広島大学大学院教育学科の七木田敦教授らとともに『遊びの保育を通した子供の運動力』についての共同研究を開始。平成16年農林水産省による「地域に根差した食育コンクール」での特別賞受賞を皮切りに、食育、農業、環境教育関係など数々の賞を受賞。日本の伝統食を給食に取り入れ、子どもの自由を保障した遊びつくす保育を徹底することで、発達障害、自閉症、アトピーの子らを改善に導き、「奇跡の幼稚園」として、テレビ、新聞、雑誌などで多数取り上げられる。子どもの健やかな育ちのための「食育と遊び」について、全国各地で講演会を行っている。
  • 2021年04月16日 17時34分更新
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