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【免疫力UP情報】子どもたちの脳とからだをつくる⑤

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第18弾は「むすび誌2017年2月号」より小崎孝子氏のインタビューをご紹介します。(全6回)。
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幼児期は夜8時までに就寝を 睡眠中に脳細胞が活発に分裂
 十分な睡眠をとることの大切さについては、「寝る子は育つ」ということわざを引用して、「脳細胞が活発に分裂を起こすのは、寝ている間です。だから、睡眠というのはとっても大事」と説明しました。
 著書「6歳までにかしこい脳をつくる 奇跡の幼稚園メソッド」では、生まれたときに人間のからだにある三兆個の細胞は、成長するに従い分裂を繰り返して、二〇歳で二〇倍の六〇兆個になるが、その大部分は三歳までに形成され、六歳ではほぼ大人並みになる、とあります。
 そして、脳に必要とされるセロトニンやメラトニンが活発に分裂を起こすのは睡眠時であり、しかも暗い中でも睡眠によって生成される、ということです。
 こうした現代科学の最新の知見も踏まえ、幼児期は夜8時までには就寝して、一〇時間以上の睡眠をとるようアドバイスしています。
 ただし、小学校に上がる六歳くらいには9時就寝にしてもよい、ということでした。
 やはり気をつけたいのは、夜間に人工的な照明が明々とついた場所に、赤ちゃんや幼児を連れ出すことです。
 「夜遅くに乳児を連れ出すということが、その子の将来にどう影響するのかということが、いまのお母さんはまったくわかっていません。だから、たくさんのお母さん方に知っていただきたい」

2歳までにトイレ訓練を開始 3歳までにおむつを外して
 「いっぱい食べて、たくさん遊び、ぐっすり眠る」こと以外に、小崎さんが強調するのが、「育ちとしつけには臨界期がある」ということです。
 わかりやすい例でいえば、おむつ。おむつをいつまでに外せばいいのか、悩むお母さんも多いと思います。
 小崎さんは著書で次のように書いています。
 「トイレトレーニングは子どもの精神衛生上とても大切で、脳の成長や安定にもつながります。トイレトレーニングは遅くとも2歳までに開始し、3歳までにはおむつを外しましょう」
 ほか、同じ時期に、衣類の着脱や排泄の習慣づけを進める、生活リズムの導線となる早寝・早起き・朝ごはんをしっかり習慣づけるなど、三歳というのが、基本的生活習慣を確立するための臨界期としています。
 講演で小崎さんは、「本当は」と前置きして、おむつを外すのは「遅くとも二歳まで」と伝えました。
 小崎さんによると、「おむつをしてやってくる子は、周りが見えてません。ぼーっとしてます」。ところが、「おむつを取った途端、一皮むいたように周りが見え始める」そうです。

人間形成の基礎は乳幼児期に 左利きも3歳までに直すよう
 「それぐらいおむつを外すというのはとても大事」というわけですが、テレビコマーシャルで、「大きい子用の紙おむつ」などと宣伝されると、つい先延ばしにしてしまうこともあるようです。
 もともと小崎さんは、排泄で汚れたときの不快感を経験させず、不快感を覚えないためにトイレトレーニングにつなげにくい紙おむつよりは、布おむつの方を勧めています。
 また、紙おむつは、子どものためというよりは、布おむつに比べ「面倒だから」「汚いから」と、「親が楽をするために使う」もので、子ども自身が育とうとする力を支援するものではない、という指摘も重要です。
 そうして、小崎さんの言う三歳の臨界期を過ぎてしまうと、どうなるのでしょうか。
 一つの極端な例かもしれませんが、ある小学一年生の子は、ウンチをパンツにはさんだまま、臭いをプンプンさせながら平気で遊んでいたといいます。また、おねしょがなかなか治らず、修学旅行に行けないという子もいるようです。
 「いっときもじっと椅子に座ってられない。ウロウロする。先生の顔なんて見てられない。いま全国の小学一年生の30%はそんな〝小一プロブレム〟を抱えているといわれます。一学期は生活面の指導に時間をとられて学習までいかないんだということで、ほとんどの一年生の先生は苦労されています」
 「人間形成の基礎は乳幼児期にある」と力説する小崎さんは、幼稚園で預かる三年間だけではなく、「どういった思春期を迎えるのかと、そこまで念頭に置きながら、卒園させても、その後の育ちを意識して、日々子どもたちとかかわっています」と話します。
 子どもの左利きについても、「個性だから直さなくていい」ということではなく、その後に成長する過程で文字を書いたりなどの社会生活のことを考え、三歳までに直すようにしているそうです。

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小崎孝子(こさき・たかこ)
1947年福岡県福岡市志賀島生まれ。近畿大学九州短期大学保育科卒業。学校法人、ふたば幼稚園理事長。志賀島保育園園長。平成9年に有害紫外線対策の“サン・カット帽子”をオーストラリアから取り寄せ、いち早く導入し環境省のマニュアルに掲載される。平成12年より伝統和食を基本とした「真の食育」活動に取り組むなど、子どものための保育を追及。平成18年度より福岡女子大学や下関市立市民病院の小児科医らとともに「子どもの食育を考える会」を立ち上げ、家庭における食事調査・健康調査・生活調査などを通して和食効果を研究。平成27年度から広島大学大学院教育学科の七木田敦教授らとともに『遊びの保育を通した子供の運動力』についての共同研究を開始。平成16年農林水産省による「地域に根差した食育コンクール」での特別賞受賞を皮切りに、食育、農業、環境教育関係など数々の賞を受賞。日本の伝統食を給食に取り入れ、子どもの自由を保障した遊びつくす保育を徹底することで、発達障害、自閉症、アトピーの子らを改善に導き、「奇跡の幼稚園」として、テレビ、新聞、雑誌などで多数取り上げられる。子どもの健やかな育ちのための「食育と遊び」について、全国各地で講演会を行っている。
  • 2021年05月13日 15時47分更新
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