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【免疫力UP情報】「医と食 健康フォーラム」質疑応答①

【免疫力UP情報】
昨今、世間を騒がす新型コロナウイルス。
こちらのコーナーではコロナに負けない身体づくりのための情報を、
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第22弾は「むすび誌2017年4月号」特集「医と食 健康フォーラム」より岡崎氏、渡邊氏への質疑応答をご紹介します。(全4回)。
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歯の割合と食べものとの関係は?
Q.マクロビオティックでは、食べものは歯の割合に沿って食べればよいとよく言われます。32本ある歯のうち、野菜や海藻を噛み切る前歯が8本、肉を食べるための犬歯が4本、穀物をすりつぶすための臼歯が20本あります。とすると、野菜や海藻は食べもの全体の8分の2、肉や魚の動物性は8分の1、穀物は8分の5となり、野菜と穀物中心の食生活がいいとされますが。

A.岡崎氏は「この話は実にわかりやすいから本当に面白い。よく考えられたなあと思って、感心します」と感想を話したあと、ほかの動物の例などを紹介しました。
 人間は32本ですが、一般にほ乳類は44本で、前歯3、犬歯1、小臼歯4、大臼歯3という割合です。
 臼歯は小臼歯と大臼歯に分けられますが、岡崎氏によると、「小臼歯は肉を食べる歯で、大臼歯は草食のための歯」です。ただ、馬などの草食動物は、植物をすりつぶしやすいよう、小臼歯が平べったくなっているそうです。
 人間の場合は、20本ある臼歯のうち、小臼歯は8本、大臼歯は親知らずを含め12本です。ということは「人間は小臼歯も大臼歯もあるので、雑食なんだろうなとも考えます。こういう考え方もあると、いろんな発想法をもったらいい」と岡崎氏。
 前歯については、講演の中でふれられたように、食べものを捕食するという大切な役目もあります。
 「昔の子どもたちは、『いー』したら乳歯の先っぽ同士が当たっていました。これがふつうの噛み合わせで、そんな子は乳歯のすき間が開いていて、きれいに生え替わりました。ところが、(調理のときに)食べものを小さく小さく切っていると、前歯でかじることがなくなり、前歯にすき間がなくなります。だから大きなものを前歯でかじるのはものすごく大事です」

腸内細菌と上手につき合う生き方を
Q.腸内細菌は健康にどのように寄与していますか。

A.
渡邊氏は、腸内細菌研究の第一人者である光岡知足氏の説を紹介しました。
 それによると、腸内細菌といってもさまざまで、善玉菌といわれるものが約2割、悪玉菌が1割ぐらいで、残りの7割が、優勢な方につく日和見菌といいます。善玉菌の代表はビフィズス菌で、悪玉菌の代表はウイルス菌などです。
 善玉菌が優勢だと、「黄色っぽくてバナナ形の便がすっと出てくる」そうです。
 「腸内細菌がビタミンKなどをつくるのはよく知られていますが、人の酵素が消化できないような食物繊維を分解して、酢酸や酪酸、プロピオン酸とか、低級な単鎖脂肪酸をつくるというのがわかってきました。単鎖脂肪酸はそのまま血液中に吸収され、大腸がんを予防したり、脳の機能にもいいとわかってきました」
 渡邊氏は、腸内細菌だけでなく、口腔内や皮膚にも共生菌があることを説明して、「私たちのからだ全体が菌まみれといっていいかもしれません。菌といかにいっしょに元気に生きていくかという生き方が追求されてくると思います」と結びました。
 また、岡崎氏は、動物園で飼っているサルに比べ、多様な植物食をしている野生のサルの方が、腸内細菌の種類が多いと話しました。 さらに、腸内細菌の種類が多ければ、毒のある植物を食べたとしても、その毒の害を多種類の腸内細菌によって防ぐことができる可能性がある、という話も伝えました。

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岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪府生まれ。専門は小児歯科・障がい児歯科・健康教育。
動物の歯にも造詣が深く、動物園への往診も行う。現在はモンゴル健康科学大学 歯学部 客員教授。

渡邊昌(わたなべ・しょう)
1941年、平壌生まれ。医学博士。慶應義塾大学医学部卒。同大学院病理学専攻、アメリカ国立癌研究所、国立がんセンター病理部を経て、同疫学部長。その後、東京農業大学教授、国立健康・栄養研究所理事長を歴任し、現在は、公益社団法人生命科学振興会理事長として専門誌「ライフサイエンス」「医と食」を主宰。一般社団法人統合医療学院学院長、NPO法人日本綜合医学会会長も務める。これまでに厚生科学審議会、内閣府食育推進評価専門委員会座長など政府の各種審議会委員を歴任。
  • 2021年10月07日 17時40分更新
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