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【免疫力UP情報】心の力が 医療を変える⑥

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第27弾は「むすび誌2015年12月号」より心の力が医療を変えるの記事をご紹介します。(全12回)。
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緊張で起こるストレス反応 もとに戻らないとうつ状態に
 竹林さんによると、私たちは、交感神経がはたらいているときの「ストレス反応」と、副交感神経がはたらいているときの「リラクゼーション反応」の間を「しょっちゅう行ったり来たり」しています。
 そうやって、エネルギーを消費したり、充電・再生したりを繰り返して、活動を続けているわけですが、ストレス反応が過度に続くと、リラクゼーション反応によるエネルギーの再生が行われなくなって、心身に不調が出てきやすくなります。
 例えば、上図は、講演の中で示された、さまざまな検査値のグラフですが、ストレスを受けるとどんな反応を示すかがよくわかります。
 安静時から始まり、時間の経過とともに右にいくと、ストレス負荷をかけたときの変化が現れ、再び安静な状態にもどります。まん中の「ストレス負荷」のときは、二分間だけ暗算をしてもらったそうです。
 すると、暗算でストレスがかかると、心拍数は途端に六〇台から八〇台に急上昇し、呼吸が乱れて、手が汗ばみ、過度の筋緊張がもたらされます。
 「ストレスがかかると表面の血管が収縮するので、血液量ががくっと減って手が冷たくなります。終わると血管が開いて血流が回復するので、手は温かくなります。手が冷たい場合は、なんらかのかたちで体がストレス反応を起こしています」
 これらは私たちが意識していなくても、勝手に神経がはたらいて反応が起こっているわけで、それが文字どおり「自律」神経なのですが、「体調を崩しているときは、ストレスが終わっても、体は依然としてストレスを感じたままで元にもどれない」状態に陥ります。
 「ずーっとエネルギーを消耗する状態を延々と繰り返していると、バッテリー切れになってしまって、いわゆるうつ状態になってしまいます」

ため息は緊張しているサイン 食事はゆっくりと味わうよう
 パソコンやスマートフォンなどを操作していて、ときどきため息をつくことはありませんか。実はそんなときも緊張感が高まって、呼吸が止まったり、浅く早くなったりして、脳が酸欠状態になり、だんだん苦しくなって、体が強制的に呼吸をさせる、それが大きなため息となるのです。
 「人間はもともと体を動かして生活してきた動物。それが長時間、同じ姿勢でじっとしているのは、動物としてはすごいストレスです。自律神経は体を動かすのを前提につくられているので、そうなると当然バランスを崩します。そのことに気づいて、体を動かす生活を取り戻すことが、健康への第一歩にもなります」
 対策としては、朝起きてから寝るまでどんどんたまり続けるストレスを「いかに小まめにリセットできるか」と竹林さん。
 「午前中の疲れやストレスは昼休みに、午後のストレスは午後のうちにリセットしてしまう」ことを心がければ、就寝するまでにストレスはほとんどなくなります。そして、副交感神経が主にはたらく睡眠中にエネルギーが再生されていくのです。
 リセットやリラックスする具体的な方法は人それぞれの部分もありますが、竹林さんは食事時間も大切にしてほしいと訴えます。
 「ゆっくりと味わいながら食事をすることによって、唾液がしっかり出て、副交感神経がはたらいている状態になります。よく味わって、時間をかけて食べようというのは、神経のはたらきにとっても非常に理にかなっています」

過去や未来よりも「今、ここ」 栄養素でできている脳内物質
 次の「思考」について竹林さんが強調したのが、「今、ここ」に意識を集中することです。
 「だれでも心の中に、不安な自分と冷静な自分という二人の自分がいます。不安な自分というのは、必ず過去や未来のことを考えて、ああすればよかったとか、もしこうなったらどうしようとか、『今、ここ』にいません。一方、冷静な自分は、いま自分はどうなっているのか、現実を見ることができます」
 脳内では、不安なときは扁桃体と呼ばれるところが反応し、冷静なときは前頭前野がはたらくそうですが、例えば「マインドフルネス」という瞑想法では、前頭前野を鍛えます。
 第三世代の認知行動療法と言われるぐらい広がりつつある「マインドフルネス」は、アメリカでは病院などでも健康法として患者に行っているようです。食事をしながら、あるいは歩きながら、洗濯物を畳みながらでもできる日常の瞑想法として注目されています。
 最後の「栄養」については、食生活を見直すことで低血糖症が抑えられるといったアドバイスのほか、セロトニンやドーパミンなどの脳内伝達物質(脳内ホルモン)は、「アミノ酸やビタミンD群、鉄、ナイアシンなどさまざまな栄養素が絡まって出来上がるので、これらが不足していると不安定になって当たり前」と話しました。

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竹林直紀(たけばやし・なおき)
1957年生まれ。関西医科大学、九州大学で心身医学の研修を受けたあと渡米し、ホリスティック医療・統合医療を研究。2005年、神戸にナチュラル心療内科クリニックを開院。また医科大学や看護大学の非常勤講師として、ホリスティック医学・統合医療を教えている。
  • 2023年02月03日 17時19分更新
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