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【免疫力UP情報】心の力が 医療を変える⑨

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第27弾は「むすび誌2015年12月号」より心の力が医療を変えるの記事をご紹介します。(全12回)。
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親の関心引くため不安神経症 「自分を犠牲にしない方法を」
 病気については、「相手役」といわれる存在との対人関係を重視します。それはどういうことでしょうか。臨床例で見ていきます。

 「症状が向けられる相手役がいて、その相手役からなんらかの注目を引き出そうとすることがその症状の目的であると、アドラー心理学では考えます」
 ケース3の相手役はもちろん親、とくに母親です。「勉強では親の注目・関心が引けないことがわかったので、病気で親の注目を自分に向けさせた。これが不安神経症の目的だというふうに僕は見ています」
 相手役は親やきょうだいであることが多く、相手役が特定できれば、症状を除去するのではなく、その症状が必要とならなくなる生き方を選べるような援助をカウンセリングでします。
 具体的には、「自分を犠牲にしなくていい、自分を病気にして体を痛めつけて、あるいは不登校や引きこもりというような、自分だけが不利な目に遭うような仕方で自己主張しなくていい、言葉でちゃんと理解しようという話をします」。
 その次に、「症状の目的をいっしょに考える。症状は原因ではなくて、症状は何のためにつくり出されているか、維持されているか、あるいは必要以上に増幅されているかといった話をします」。

価値があると思えるように 自分の短所を長所に置き換え
 「あらゆる悩みは対人関係の悩み」とアドラーは言い切っているそうです。
 対人関係の中に入っていく勇気がもてない人は、「心に傷がつくくらいだったら、いっそ最初からだれともかかわらないでおこうと思う人がいてもおかしくない」と岸見さんは話します。
 さらにアドラーは「自分に価値があると思えるときにだけ勇気をもて「生きる喜びも人とのかかわりの中からしか生まれない」とも言っています。
 実際には「自分に価値があると思っている人は、実は非常に少ない」(岸見さん)のが現状ですが、自分に価値があると思ったり、自分のことが好きになる方法として、岸見さんは「短所だと思っていたことを長所に置き換える」やり方をアドバイスしました。
 例えば、人とのつき合いに消極的だとして「暗い」と言われたことがある人に対しては、「あなたはいつも自分の言動が他人にどんなふうに受け止められるかということを気にしている人だと思う。そうなら、少なくともわざと人を傷つけるようなことは言わない。本当は暗いのではなくて、やさしい人だ」と言えば、「あ、そうか、やさしいんだ」と思うと、自分が好きになり、自分に価値があると思えるようになります。
 また、「自分に価値があると思えるのは貢献感があるとき」ともアドラーは言っているそうです。別に何かをしてもらわなくても、今のままのあなたでいいんだよというメッセージとして、「ありがとう」という言葉を紹介しました。

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岸見一郎(きしみ・いちろう)
1956年生まれ。京都大学大学院博士課程満期退学。奈良女子大学非常勤講師、精神科医院勤務などを経て、現在は京都聖カタリナ高校非常勤講師などを務める。日本アドラー心理学会顧問。
  • 2023年03月23日 09時38分更新
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