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【免疫力UP情報】最新医学が解き明かす新・玄米パワー②

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第30弾は「むすび誌2018年10月号」より最新医学が解き明かす新・玄米パワーの記事をご紹介します。(全5回)。
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習慣的な摂りすぎが問題

 ―動物性脂肪の依存は麻薬よりも強いということが衝撃的でした。

 

 ニコチン(タバコ)、アルコール、そして本物の麻薬をラットやマウスに与えると、人間と同じように中毒になります。

 その3つに動物性脂肪を加えた4つの中でいちばん依存性が強いものはどれかというと、動物性脂肪がもっとも強いという実験結果が得られています。

 言葉を変えて言うと、動物性脂肪は麻薬以上に麻薬的です。ひとたび脳が動物性脂肪を覚えてしまうと、ハマってしまってやめられなくなるので、繰り返しファストフード店に通うとか、繰り返しジャンクフードを買うとかという行動につながっていくのです。

 動物性脂肪というと、おもに牛や豚などの四つ足の獣肉のラードなどの脂(あぶら)です。だから、動物性の脂で調理したフライドポテトも、食べすぎると同じように依存に陥ります。

 ただし、あくまで、動物性脂肪を習慣的に摂りすぎたときに依存になってしまうのであって、動物性脂肪の摂取をゼロにしなさいという意味ではまったくありません。

 

精妙なオリザノールの構造

 ―それほど強烈な動物性脂肪への依存を抑えるはたらきが、玄米だけに含まれるγーオリザノールにあるということも驚きです。

 

 3年前ほどにそのことを発見して、私たちも最初は非常に驚いたのですが、動物性脂肪の依存を引き起こす2つのメカニズム、小胞体ストレスと脳内報酬系のエピゲノムのそれぞれに対して、米糠の成分が脳の中で実に巧みに、両方を正常化する方向にはたらくのです。

 γーオリザノールの分子構造を見ていただくと、実に面白い形をしていまして、エステル結合した亀の甲だらけで、ほとんど水に溶けないんですね。

 簡単にいえば、Oでつながっている左側の方の構造式が小胞体ストレスを軽減し、右側の方の構造式が脳内報酬系を正常化させて、動物性脂肪への依存を断ち切る作用をもっていることを発見しました。

 人類を動物性依存から救い出してくれるためにつくられたかのような、本当によくできた構造をしています。

 γーオリザノールの構造自体はだいぶ前に解明されていましたが、分子レベルの機能の詳細はほとんど解明されておらず、私たちが研究を始めて以降、次々と新しいことがわかってきました。



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益崎裕章(ますざき・ひろあき)
1962年京都市生まれ。1989年京都大学医学部卒、同大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士(分子医学専攻)。同大学医学部第二内科助手、米国ハーバード大学医学部招聘(へい)博士研究員・客員助教授、京都大学内分泌代謝内科講師を経て、2009年に琉球大学大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病 内科学講座(第二内科)教授に就任。2015年より同大学医学部副学部長併任。
  • 2023年11月25日 11時55分更新
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