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【免疫力UP情報】最新医学が解き明かす新・玄米パワー⑤

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第30弾は「むすび誌2018年10月号」より最新医学が解き明かす新・玄米パワーの記事をご紹介します。(全5回)。
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肥満化する人類の福音にも

 γーオリザノールについての益崎教授らの一連の発見は、冒頭でも紹介したとおり、世界的な学会誌で取り上げられて、国際的にも注目されています。

 益崎教授によると、最近の医学研究では、肥満や糖尿病の治療薬の開発がうまくいかなかったこともあり、毎日の食事を見直すことで健康や長寿を目ざそうという「原点回帰」ともいえる流れがあるそうです。

 玄米もまさにそうした中で評価されてきたわけですが、研究の中心となっている欧米の研究者はお米にほとんど縁がなく、「玄米とはどんな形をしているのか。おいしいのか」とよく聞かれるそうです。

 それだけに、当初はγーオリザノールについての論文を提出してもまともに取り合ってはもらえず、門前払いされたといいます。

 しかし、データを重ねて論文に仕上げるという地道な作業を続けるうちに、信用が生まれ、評価されるようになりました。

 お米についての世界的な研究は、農学分野ではアジアで盛んですが、医学分野ではほとんどなく、圧倒的に日本が先行しています。

 「オリザは米の学名。オリザノールは米の油という意味ですから、米糠にしかありません。まさにジャパンフラッグといいますか、日本を象徴する食べものです」(益崎教授)

 現在、世界では8億人余りが飢餓に苦しむ一方、ある調査によると、肥満を含む過体重の人は22億人もいます。実に3人に1人が太りすぎで、2015年には肥満に関連する疾患で400万人が亡くなり、小児肥満も増加しています。

 日本人と切っても切れないお米、中でも玄米の効用を見直すことでもたらされる恩恵は、計り知れないものがありそうです。まさに玄米は人類を救うパワーをも秘めているのです。

 


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益崎裕章(ますざき・ひろあき)
1962年京都市生まれ。1989年京都大学医学部卒、同大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士(分子医学専攻)。同大学医学部第二内科助手、米国ハーバード大学医学部招聘(へい)博士研究員・客員助教授、京都大学内分泌代謝内科講師を経て、2009年に琉球大学大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病 内科学講座(第二内科)教授に就任。2015年より同大学医学部副学部長併任。
  • 2024年01月12日 09時23分更新
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