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【免疫力UP情報】香害と身近な化学物質①

【免疫力UP情報】
過去のむすび誌や正食出版発行書籍から抜粋してご紹介致します。
第28弾は「むすび誌2019年12月号」より香害と身近な化学物質の記事をご紹介します。(全6回)。
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広がるマイクロカプセル香害
長持ちする香りで被害
 本来「いい香り」は気持ちを和ませ、食べものや飲みものであれば、食欲をそそるものです。しかし、中には嗅ぐと不快な気分がわき食欲をなくす「嫌なニオイ」もあります。
 五感のうち嗅覚はもっとも原始的な感覚といわれます。私たちの祖先は、山火事の発生を焦げ臭でいち早く察知することで生き延びてきたともいわれ、においはときに命さえ左右します。
 天然のにおいに加え、百年ほど前からは合成された人工香料が加わりました。長い人類の歴史でみれば、ほんの最近のことです。
 日本で最初の柔軟剤が発売されたのが1962年。以後、販売量が増え続け、2017年の市場規模は約1136億円にもなっています。
 巨大市場となった柔軟剤で各メーカーは2010年以降、香りが長く続く残香を競うようになりました。
 それまでは、柔軟剤を使用したときの一回香っていただけでしたが、乾燥しても揮発しないよう、また着用やその後の洗濯でもにおいが消えにくいよう、芳香成分をマイクロカプセルに閉じ込めておき、宣伝文句にあるように「香りが長持ち」するようにしたのです。
 そうした芳香柔軟剤の広がりとともに、強いにおいによって体調不良を訴える人たちが急増しました。

子どもは多動などの傾向
 柔軟剤のほか化粧品やシャンプー、芳香剤などに利用されている人工香料について角田さんは、知覚神経を刺激することで、過敏でない人は和らいだ気分になる一方、敏感な人では神経系が過剰に反応して、頭痛や吐き気などの化学物質過敏症の症状や、じんましんなどのアレルギーの誘発などを引き起こすことがあると指摘します。
 角田さんのクリニックでは、5年余り前から香りの強い患者が多くなり、強いにおいを嗅いだスタッフのほとんどは頭痛を訴えるそうです。「ほかの患者さんもいるので、そうした人は換気設備が整った部屋に行ってもらいます」
 とくに心配なのは、角田さんが専門にしている子どもたちです。
 「大人のスタッフが頭痛が起きるもので、子どもたちがおかしくならないわけがない。実際、香料の強いところで育っている子どもは、ワクチンなどの痛みの反応が強く、多動や落ち着きがないという傾向があります」
 強いにおいにさらされ続けていると、嗅覚が麻痺してさらに強いにおいを求めてエスカレートするだけでなく、味がわからなくなるという味覚の発達異常にもつながる恐れがあります。
 緊急出版された『マイクロカプセル香害』(古庄弘枝著)によると、カプセルに詰められている香料は「十〜数百種類も化学物質を混合し、さまざまな溶剤も添付して作られるもの。その化学物質の配合などは、いまのところ、企業秘密とされています」。さらにその化学物質は、公表されたものを調べると、有害性が疑われるものもありました。

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角田和彦(かくた・かずひこ)
1952年静岡県生まれ。東北大学医学部卒。専門は臨床環境医学、アレルギー。2004年、宮城県多賀城市にかくたこども&アレルギークリニックを開業。シックハウス症候群の調査や治療、2011年の東日本大震災ではアレルギー児の救援活動などにあたった。『アナフィラキシー 原因・治療・予防』(柘植書房新社)など著書多数。
  • 2023年05月15日 17時14分更新
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