「インドで出産したことについて、生徒さんによく聞かれるんです。海外に住んでいて出産しに日本に戻ってくるのは分かるけれど、私はわざわざ出産に行った。それはなぜ、と皆さん不思議に思うわけです。さわりだけは話すのですが、あまりにも聞かれるので、その時のことをお話してみようかなと思いました。
　妊娠した時、すでに高齢出産でした。日本の病院だったら、きっと、帝王切開があたりまえなので、それは嫌だなと思い、自分が納得する産み方をしたいと勉強していくと、チベット医学の本に、『あ、これだ!』と閃くものと出会いました。
　ダライラマ法王の本を読んでいたこともあって、チベットに行こうと思ったんですが、5000メートル級の山を超えるのは、お腹に子どもがいるのにとても無理です。それに、ダライラマ法王はチベットにいないことに気づき、それで過去3回行った経験のあるインドの、ダライラマ法王のいるダラムシャラという聖地で産もうと決めました。割と単純なんです。
　人間には、見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプがあるそうです。私は、後者だなと思いました。そのプロセスの中にインドがあったんです。なんとなくインドはそんな国です。今まで目に見えるものだけを追っかけ過ぎたように思います。これからは、見えないものを見ようとする努力、直感を働かせないといけない時代になっていくかなと思います。
　20年間、人から聞かれるたびに考え続けていたのですが、最終的な答えがこの講座にありそうです（笑）。」

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